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加古川市のピアノ教室「加古川音楽スタジオ」

リトミックを習うとどんな効果がある?リトミック講師が教えます。

      2017/05/07

 音楽の基礎能力と、人格形成の3要素を身につけることができる。

 

リトミックのレッスンを受けると、第一に音楽の基礎能力がつきます。特に、左脳を活発に使う 小学校の入学まで(6歳半まで)に、右脳を使うトレーニングをすると、その能力は最大限に引き出され、大人になっても定着していると言われています。また、リトミックのレッスンでは、音楽を手段としてアプローチしていくので、楽しい中で 人格形成の三要素 を身につけることができます。人格形成の三要素は、これからの21世紀に、家庭を持ち、仕事をして、友達と楽しく生活していくための 大切な要素です。 ピアノのレッスンでは、弾く技術を身につけることに 多くの時間をさくので、人格形成の三要素まで関わる事が出来ません。しかし、幼児期にリトミックで、音楽の基礎能力と共に、人格形成を豊かに育んでいれば、小学生になって ピアノのレッスンを始めても効率よく、レッスンが進んでいきます。ピアノだけでなく、学校での友達との社会性や、協調性も身についていれば、小学校生活も心配なくスタートできるのではないでしょうか。

それぞれを詳しくお話していきます・・。

音楽の基礎能力

ビート感→拍子感、リズム感

ビート感とは、ジャズなどで初めて出会った人とピッタリ息の合うセッションができる事なのです。先日、上原さんと、矢野顕子さんが生番組のテレビで、今一度しかできないセッションをします!と、演奏されました。誰もがその迫力に惹かれ、ピッタリ合う凄さに驚き、その音楽性に感動していました。そのピッタリ合う感覚が、ビート感です。(上原さんと、矢野さんの記事にも書きましたが)音楽は目にみえないので、目に見えるものに例えると、ビート感はどこまでも正しく書けるメモリです。1センチでメモリを区切って下さい、と言われると 何10センチでも、何メートルでも、何キロでも、ずーーーーっと同じ幅でメモリを付けることができるのが、ビート感です。この確かな物差しを自分の中に無意識にもっている人は、上原さんと矢野さんのように、打ち合わせで、90の速さでいきましょう!と相談すれば、後は最後までその速さでお互いが進むので、休んだり、リズムが複雑になっても、ピッタリ揃うのです。

そして、そのメモリを3センチ単位に区切ったり、5センチ単位に区切っていくのが、拍子感です。基のメモリ(ビート)がそろっているので、自然に拍子感もそろいます。

その拍子の中を 半分に区切ったり、1/4にくぎったりするのが リズム感です。 休符も、基のメモリ(ビート)の中で、休んでいるだけなので、休んだ後、音を出しても、メモリの幅は一緒なのでそろうはずなのです。

これで、おわかりでしょうか? ビート感がきちっとつければ、拍子感、リズム感は後から自然についてくるのです。でも、このはじめのビート感がなければ、適当なメモリの中で、適当に区切った拍子感で、その中でまたまた 適当に叩いていくリズムでは、他の人とアンサンブルをしたときに、そろいません。ピッタリ息の合った演奏は不可能になります・・・。

ビート感をつけることが、音楽の大事な部分である事はわかりますね。

ビート感をつけるには、リトミックしかない!?

では、そのビート感はどのようにして身につけるか?

ピアノを習いに来ている子達にグループレッスンで、取り入れてみましたが 上手く行きませんでした。原因は、回数がすくない、家で帰ってからも練習をしない(一人で練習がやりにくい)、その場限りになって、無意識にビート感を感じるくらいまではいかない、年齢が高すぎる。でした。小学生になって週に1回30分のピアノレッスンでは身につきません。それに、子どもたちも父兄の方々も、ピアノを演奏することに重きをおいてしまいます。(本当は正しいビート感が大事ですが、みえないので・・・)

そこで、6歳半までの幼児期にリトミックレッスンで身につける 事が一番有効だと思いました。

6歳半を超えると、聴力などの感覚器の発達、頭脳の基本的発達、運動機能の発達が横ばいになり、急速な成長はそれまでとなります。そして、6歳半までに 元々持っている能力をつかっていれば、一生身についたまま成長できます。スキップなどもその時期です。3歳の間にスキップができなければ、一生できないと言われています。ですので、ビート感は、小学生でも意識をすれば身につける事ができますが、無意識に悩むことなく身についていると言うくらいになるには、やはり幼児期しかないのです。更に、小学生になると ピアノを弾くことに一生懸命になり、ビート感のトレーニングのために時間を割くことが難しくなります。さっと聴いた感じ、ビート感がとれていなくても、エリーゼのためにを弾けることの方が 優先されてしまうのです。そんなことも考えると、きちんと正確なビート感を身につけるのは 幼児期のリトミックしかない、と私は思います。

ビート感が正確だったら、そのまとまりで区切る 拍子感、リズム感も自然に正確に刻まれている事がわかりますね。

音感→和声感、フレーズ感

音感も同じです。音感が身につけば、和声感、フレーズ感も身についていきます。リトミックでは、リトミックの創始者 エミール・ダル・クローズが、音階ソルフェージュなども子どもたちにしていました。音階を元に、音感をつけていきますが、例えば 音階を一つ飛ばして ド ミ と、三度の音程で歌ったり、聴いたり、楽譜に書いたりします。その音の重なりが、和音になります。 ですので、音感が身につけば、和声感も身につき、メロディのながれや、和声の流れから、フレーズ感もできてきます。 スタートとなる音感がつけば、和声感、フレーズ感、そして音楽表現となるのです。音階が上がっていくと、子どもたちは必ずハイテンションになり、音階のてっぺんまで歌うとニコニコ大きな声になります。これは、音の高さで自然なクレッシェンドになっているのです。リトミックのレッスンで、この光景を見るたびに、あーーこれが、リトミックなんだな~、音楽なんだなあ~、と思います。赤ちゃんが高い~高い~としてもらうと、みんな喜んで ケラケラ笑いますね~同じです。音楽を演奏するときもそうです、ほとんどの曲では、高い音になっていくと、強い音になります。音が下がってくると だんだん弱い音になっていきます。これは、ニュアンスの表現です。こういったことをリトミックのレッスンの中で、 心で感じて、体で表現して、その経験をたくさん たくさん積み重ねて、それからピアノを演奏する、トランペットを吹く、バイオリンを奏でる、歌を歌うと、どれほど素晴らしい演奏ができるか、理解していただけると思います。

人格形成の三要素を楽しく学ぶ

以上のような音楽能力を育む事は一番ですが、リトミックは 音楽を手段として取り入れることで、人格形成の三要素をバランス良く成長させることができます。

人格形成の3要素 ってどんなもの?

心(マインド)

好奇心、探究心、競争心、向上心、自立心

力(パワー)

注意力、集中力、理解力、判断力、表現力

性(パーソナリティー)

社会性、協調性、感受性、積極性、創造性

 

では、この三要素を リトミックのレッスンのなかでは、具体的にどのように学んでいるのでしょうか?・・・・少人数のグループレッスンなので、人格形成の三要素がバランス良く身につける事ができます。例えば、チューリップのお花の歌を歌いながら、手や、体全体で お花を表現します。友達がしていることを見ながら、自分はこんな形のお花を作ろう!(競争心、想像力、表現力)もっと面白い形はできないかな?(探究心、向上心、集中力、積極性)一人だけでなくて、お友達と一緒に一つのお花を作ったらいいんだ~(好奇心、判断力、協調性、社会性、創造性) できるようになったら、みんなの前で1人で発表したい!(自主性、自立心、積極性) レッスンの一場面ですが、自然にたくさんの 心、力、性を育んでいる事がわかります。優しいお花の音楽の流れの中で、子どもたちは無理に詰め込まれるのではなく自分たちから発見し学び、さらに向上していく・・・・、こんな教育法がリトミックなのです。 ビデオや、テレビ、スマホなどの受け身の中で育っている現代の子どもたちが、目の前で音楽を演奏している先生と、一緒に作り上げるレッスンができることは、貴重な経験だと思います。そして、少人数なので 一人1人に、指導者も声掛けができます、励ましができます。「Aちゃんのお花とってもキレイね~」「Bちゃんのお花先生が見たの初めての形、どうやって作ってる?」「Cくんのお花、カッコイイね。大きくてみんな見とれちゃうわ~」答えは無限にあるので、全員のお花の表現を褒めることが出来、認めあうことができます。算数の答えのように、数字があっていたから ○ というのではなく、自分が作り出した答えが 世界で一つの ○ 正解なのです。素晴らしい評価ですよね~。こんな嬉しく、楽しい経験を毎回、何度も体験していると、自己肯定感も高まり、自分も友達も大事にできる子ども達に育ってくれると思います。

21世紀を生き抜くためにリトミックレッスンを!

最後に、今の子どもたちに どうしてリトミックを学んで欲しいのか? 何が大事なのか?

今の子どもたちが、40代、50代になって、日本の社会の中心になって働く頃、日本は戦後なかったくらい、大変な時代を向かえています。これまで、高度成長時代で日本の人口がドンドン増え、子どもを産めよ、育てよと言われ、それとともに 経済も活発に動き、ドンドン豊かな国になってきました。しかし、これからは高齢化社会。高齢者の人口は増えて行きますが、若い世代の人口はどんどん減少しています。それと共に、経済力も今のままでしたら下降していくことになります・・。 30年後、今ある職種の30%がなくなっていると、言われています。どんどん AI(人工知能) が発達してきて、ロボットが人間の仕事を取ってしまうと言われていますね。その結果、30%の職種がなくなっていくそうです。では、なくなった30%の職種はどうなるのでしょうか?・・・・、今の子どもたちが、これから考え出し、開発し、作り上げていくのです。いく、はずです・・・、そうしなければ、日本の経済がドンドン落ち込んでいくことになります・・。学校で先生が教えてくれた事をただ覚えて、身につけるだけでは、今の社会から変わっていけません。 と、言うことは、今私達大人がしなければいけない事は、『今の社会に無い職種を考え出せる子どもたちを育てなくてはなりません。』今年、仕事体験のできるパビリオン(キッザニア)に、ユーチューバーの仕事体験が新たにできたと、ニュースを見ました。こういう事ですね。 一昔前ですが、音楽業界でとても辛い時期がありました。カラオケの機械が発達して 全国にカラオケボックスが出来た頃、それまで生演奏をして、お店を回っていた有能な音楽家たちがたくさん、仕事を失ったと、いう悲しい時期でした。有能であるのに、仕事を失う・・・・、やりきれない思いです・・。

そこで、21世紀を生き抜く子どもたちを育てるためには、今無いものを生み出す力をつけてあげなければなりません。それが、想像力ではないでしょうか?そして、夢見る力ではないでしょうか?生み出す力ではないでしょうか?これは、右脳で考える力です。 私が小学生の頃、スマホをみんなが持っているなんて想像もできませんでした。車などのナビ機能も、「あれば便利だろうな~」と思っていましたが、「そんな事無理!」と思っていました。でも、やってみれば 作れるのです!(私には無理ですが・・・^^)ですので、楽しい想像の世界のリトミックレッスンが、子どもたちのこれからの夢の世界をどんどん作り上げ広げていく事も、考えられそうです。

リトミックのレッスンは右脳を使うことがほとんどです。リトミックのレッスンで使うフープは、電車になったり、船になったり、バスになったり、アリの巣になったり大きなお皿にもなります。大人からすると、今日はバス?この前は、車じゃなかった?なんて、言いたくなりますが、子どもたちはそんなこと言いません。「バスに乗ろう!ガタガタの道も行こう!信号もあるよ、救急車もくるかな~」なんて、どんどん子どもたちのアイディアがでてきます。始めの提案は先生からですが、何度も体験するうちに、理解し、子どもたちの想像力が膨らみ、探究心が広がり、好奇心でいっぱいになって、友達の意見も聞いたり、それを受け入れて社会性を養い、表現していきます。これが、リトミックレッスンの楽しいところです。学校のようにひらがなを覚えたり、計算をしたりする勉強と全く違う力を養うのです! 勉強の左脳を使うまでの幼児期に、創造力、芸術性、独自性を育てる右脳を 活発に使うと伸び伸び右脳が発達するとも言われています。そのために、幼稚園ではひらがなを教えない、と徹底している園もありました。リトミックで右脳を活発に使えば、21世紀を生き抜く子どもたちに成長できるのではないでしょうか。

 - ピアノの先生の独り言

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